価値観は絶対にアップデートするな

最近よく言われる「価値観のアップデート」という価値観には反対する。アップデートした結果、よくなるという保証はどこにもない。根源には、大した根拠のない進歩的歴史観があるのだろう。

しかし、進歩的史観が正しいという保証はない。人間にとって、進歩的史観というのはもともと異常な思想であって、本来は退歩的歴史観が一般的であった。いわゆる「昔はよかった」というやつである。

旧約聖書にも「かつて人間は楽園にいたが、神の怒りに触れたために楽園から追放された」という話が出てくる。多くの人が「昔はよかった」と懐かしむのも、人間は文明とともに退化し堕落しているという観念から来ている。むしろ、こちらのほうが人間の心情として普通なのだ。

人間の非合理的な側面を見つめない「価値観のアップデート」は間違いなく失敗する。共産主義は人間の私有欲という本能を黙殺したために破滅した。
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ザ・プロフェッショナル

遠藤ミチロウさんがあるインタビューで「ステージで恥ずかしいことをやるのは仕事だからですか」と聞かれて、「いや……仕事というより表現だから」と答えていたのに納得する。なんでも「仕事だから」で済まされる風潮には反対。

プロ根性なるものを必要以上に美化するのはおかしい。プロというのはそんなにえらいのか。

それを推し進めたら「金すらもらえたら中身はどうでもいい」ということになるのだから。

『世界奇食大全 増補版』の加筆について

『世界奇食大全 増補版』(ちくま文庫)は、文庫化にあたり、パンカツ、トド、ソテツ、カメノテ、、イソギンチャク、ワラスボ、蘇、犬の八品目を加筆しています。

この中で最も長いのが13ページある「犬」です。
ここでは、有名な中国や韓国の犬食だけではなく、スイスや日本の犬食についても書いています。
日本に犬食文化があったことはいろいろな文献から明らかで、もはや犬食は日本の伝統食ではないかという考察をしています。

また、
「ペットを食べてはいけないのか」
「なぜ日本のペットには食べ物の名前を付けることが多いのか」
「愛と食の秘められた関係とは」
といったテーマについても書いています。

実はこの「イヌ」だけで独立して本にできるくらいのテーマで、「奇食とは何か」「食べるということはどういうことか」という深淵に迫るテーマだと思っています。

『世界奇食大全 増補版』(ちくま文庫)が出ました

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『世界奇食大全 増補版』(ちくま文庫)が出ました。
文庫化にあたりパンカツ、トド、ソテツ、カメノテ、、イソギンチャク、ワラスボ、蘇、犬の八品目を追加しました。

ラクダのこぶ、サソリ、ウマのたてがみから、土のスープ、樹液、みかんご飯、甘口イチゴスパ、そして紙、蚊の目玉のスープまで。伝統食品あり幻の珍グルメあり。「奇食とは、人間世界の謎を開ける鍵なのだ」という著者の、悶絶必至、味の大冒険。人間の業の深さを実感する珍グルメ全集。文庫化にあたり、パンカツ、トド、イソギンチャク、蘇など8品を増補。全56品。解説 宮田珠己