僕の小説のこと

昨年書いた第一作『砂漠の壁』(仮題)は、近日中に何らかの形で公表する予定です。

今は、第二作目を書いています。
少年と少女の間で起こった、ある不可解な殺人事件。
推理小説ではなく、人間の非合理な情念や激情を追ったもの。

いま執筆中なのですが、問題は、いまだ公表する場が決まっていないこと。
それでも書かざるをえない、溢れ出るものがあるのが辛いのですが……。

極端な話を言えば、ゴッホは生前はたった一枚しか絵が売れなかったにも関わらず、2000枚もの絵を描き続けた。
とにかく、描かざるをえない衝動があったのでしょう。
それに近いものです。


どこかに、公開させていただける場はないだろうか――。
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倫理を装う人々

なんか異常なまでに倫理的に潔癖になりつつあるこの国。
いや、潔癖なふりをしたがる人々。
少しやばいんじゃないか。

倫理というものは、乱れれば乱れるほど、人間としての味わいが出てくるものだが。

プロ根性

「プロ根性」と「奴隷根性」は、いったいどこが違うのだろう。

才能

まともな両親から生まれるということは、間違いなく偉大な才能である。

正義

正しいことは、たいていうさん臭い。

Don't vote.

森達也さんが「若者は棄権しろ」と言っているのは、彼なりの逆説だろう。

だいたいおっさん連中が「投票せんかい」と言うたびに、若者は「うっせーな、この野郎。誰が投票するかよ」と思うものだ。

「投票するな」と言われて、初めて投票したくなるものだ。

パン屑のトリクルダウン

トリクルダウンとは要するに「おこぼれ」である。

上流階級が優雅な食事をしていて、「貧乏人はテーブルからパン屑が落ちてくるのを待ってろ」というわけだ。

しかし、その「パン屑が落ちてくる」のがすでに嘘だとすれば……。


さっさとテーブルをひっくり返し、上流階級の連中を蹴飛ばし、料理を自分手でもぎ取ってやれ。

手品と魔術

先日の読書会のこと。

ウェルズの「マジック・ショップ」という作品があって、翻訳者はなぜこれを「手品の店」と訳さなかったのが不思議だった。

そして今頃気づいたのだが、"magic"には「手品」と、もう一つ「魔術・魔法」という意味がある。
主人公はこのマジック・ショップに入り、男に奇怪な「マジック」を見せられる。そして悪魔まで出てくる。
つまりこれは、「手品の店」と「(いかがわしい)魔術の店」という二つの意味があって、ウェルズはその二つの意味を込めて"The magic shop"と名付けたのだろう。
「手品の店」と単純に訳すると、その妖しい意味合いが伝わらないのだ。

この作品の中で、男が「ここは本物のマジック・ショップです」というシーンがあるが、これは「本当の魔術を使う店なのです」と言う意味だったに違いない。
単純なことだが、いまさら気づいた次第だ。