毒婦

木嶋佳苗の裁判を追ったルポ『毒婦』を読む。

正直言って、まったくの失望の作品だった。これほど読んだ後に空虚感と不快感、嫌悪感が残る本も珍しい。

著者は、古典的な、いまどき珍しいフェミニストだ。何でも「男」と「女」の対立軸で捕え、男は強い加害者であり、女は弱い被害者であるという図式に凝り固まっている。
そして言うまでもなく、こういう発想こそが、最も女性を差別しているのである。

著者の木嶋被告に対する共感は隠すべくもなく、その一方で、被害者の男性を嘲笑う。それは、あまりにもあからさまだ。
本質的に、男に対して敵意や反感を抱いている人なのだろう。だから、男たちを殺戮しまくった木嶋被告が、まるで天使か救世主のように見えるのだろう。
著者は、検察官までも、それが男性と言うだけで嘲弄する。
要するに、「凡庸な、あまりにも凡庸なフェミニズム本」だった。

木嶋佳苗の事件は、興味をそそられる、驚くべき事件だ。
それだけに、こんなカビの生えた思考を持つ著者ではなく、まともな人に書いてもらいたかった。この著者以外だったら、誰でもいい。はるかにましなものが出来上がるだろう。


多くのフェミニストは、自分が「女」であることをしきりに強調する。
しかし、それは自分が「女」であることに自信がないからだ。
本当に自分の女性性に自信のある女は、わざわざ自分が女であることを強調したりしない。そんなことをしなくても、周りの男たちが自主的に「女であること」を認めてくれるからだ。

逆に、自分が男であることを強調する男も、自分の男らしさに自信を持っていない。
男らしい男ほど、女々しい存在はないのである。
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ノマド・ワーカー

「ノマド・ワーカー」って、「フーテンの寅さん」とどこが違うんだろう?

投票は国民の「趣味」である

区長の選挙に行ってきた。
相変わらず、投票所は老人ばかり。なんだか、投票するのが馬鹿らしくなってくる。
実は、選挙に投票するということは、著しく人間性に反した、不自然な行動なのではないだろうか?

投票は、国民の権利でも義務でもない。
ただの「趣味」である。
それは、高尚な衣装を着たギャンブルにすぎない。
パチンコや花札となんら変わるところはない。

政治

政治とは、ただファッションにすぎない。
しかも、最悪のファッションだ。

黄金バット

いま、密かに紙芝居の研究をしている。

噂には聞いていた「黄金バット」の実物を初めて見たのだが、これが「正義の味方」だとはとても思えない。どう見ても、「悪の権化」じゃないか。

この50年ほどで、日本人の感性は劇的に変わったのだろうか?

こんな不気味な「正義の味方」に助けてもらう位なら、僕はむしろ悪の組織に掠われるほうを選ぶ……。


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魅惑のスパム

一か月前から、同じ業者からしつこくスパムが、一日何通も送られてきていたのだが(ネットのスロットで10億儲けよう! の類)、ここ数日、まったく来なくなった。
なぜだろう? ひょっとして、当局の手が入ったのだろうか?
だいたい、こっちに無許可で営業メールを送りつけること自体が、違法行為だし。

この業者、「100%勝てる投資方法があります!」とか、一発で嘘とわかるメールばかり送ってくるので、毎日楽しみにしてたのに。
そんなにうまい儲け話は、人に教えちゃだめだよ!

5/13(日) 東京読書会10 夏目漱石『それから』

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第9回目の読書会と食事会を開催します。
(読書会のみの参加もOKです)

【日時・場所】 5月13日(日)
・16時~18時 読書会
 カフェ・ミヤマ高田馬場駅前店  会議室2
 
・18時30分~ 食事会
 (場所は未定。決まりしだい発表します)
 
【費用】
・読書会……各自のお茶代+部屋代(400円程)
・食事会……3000円程
 
【定員】 10名
 
【テーマ】
夏目漱石『それから』

走馬灯

「走馬灯のように思い出が駆け巡る」とよく言われるが、実際に走馬灯を見たことのある人って、どれくらいいるのだろう?

ちなみに僕は、ない。

犯罪煽動

犯罪を賛美し、煽動することは、まぎれもなく芸術家の神聖かつ重大な使命である。

夏目漱石『それから』

次回の読書会のテーマ・夏目漱石『それから』を軽く読了。
漱石はいろいろ読んで文体にも慣れているせいか、割と軽やかに読み進めた。

不倫小説なのだが、ラディゲの『肉体の悪魔』とは違い、精緻で執拗な心理描写がそれほどない、おっとりとした作品だと思う。
王道というか、久しぶりに「正統的」な小説を読んだ気がする。


そうだ、この作品は映画化されているらしい。
主演は、いま話題の藤谷美和子だ。