わかりやすい物を書くことは、罪だ。
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作家と狂気

『文豪はみんな、うつ』という精神科医の書いた本を読んでいる。
昔から、いわゆる病跡学には興味がある。
この本に出てくる文豪10人――漱石、芥川、太宰、川端、中原中也など――のうち、七人がうつ病か統合失調症だという。
なお、谷崎潤一郎は強迫性障害だったと診断されている。

統合失調症にはネオロギスム(言語新作)という症状がある。これは、存在しない言葉を勝手に創り出してしまうことだ。
そしてこれは、新しい表現を生み出すべき作家や詩人にとっては、必須の資質なのかもしれない。
ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』などは、まさに統合失調症患者の書いた作品、と言うべきなのだろう。

北杜夫が「芥川が現代に生まれていたら、新しい薬を飲むことによって、自殺せずに済んだだろう」と言っていたのは印象的だった。

進歩

世界の進歩の大半は、無責任でデタラメな人間のおかげである。責任感あふれる誠実な人間は、進歩の足を引っ張ることしかしない。

反体制

反体制派ほど、熱烈な体制支持派は存在しない。

勝負

勝ち負けにこだわる人間は、たいていは勝負に負けている。

沈黙

久しぶりにラッシュアワーの電車に乗った。
それはまるで、押し黙る羊たちを載せた、家畜護送列車のようだった。

この沈黙の代償が、首都を覆うセシウムだったとは。


昔から、家畜のように満員電車に詰め込まれ、黙って会社へと移送されて行く日本のサラリーマンは、異常だと思っていた。なんでこんな動物以下の扱いに怒らないのか。

もっとも、昔は「経済大国を成立させるには、しょうがないのか」とも思っていた。
だが、もはや経済大国ですらなくなりつつあるこの国においては……。

この辛苦は、いったい誰が、どうやって報いるのか。

トラウマ

トラウマを告白した時、聞き手の最悪の反応はこれだ。

「もう昔のこと、どうしようもないでしょ?  気にしないほうがいいよ」

そう、どうしようもない。時計の針は元に戻せない。
だからこそ、苦しんでるんじゃないか。
もし「どうしようもある」のなら、なんとかするはずだ。それができないからこそ、悲劇的なのではないか。

「気にするな」「前を向いて生きろ」
こんな言葉でなんとかなるなら、この世にトラウマなどない。
精神的苦痛や自殺もない。
どうしても気になり、前を向けないからこそ、苦しいんじゃないか。
ちょうど、足を骨折した人に向かって、
「気にするな。前を向いて走ってみろ」
と強要するようなものだ。

ビジネスマン

「ビジネスマン」は「サラリーマン」と呼べ。
「マネー」は「銭」と呼べ。
そうすると、世界の見え方が変わって来る。

不安

不安を煽るな。
それ以上に、安心を煽るな。

11/6(日) 東京読書会4 岡本かの子『鮨』+岡本太郎記念館

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 第四回目の読書会を開催します。

・日時
 11/6(日) 15時~18時

・場所 
 15時~ 岡本太郎記念館(入口前に集合) 
 16時~18時 読書会 A to Z cafe(表参道)
  (読書会のみの参加も可。カフェに直接お越しください)

・費用
 岡本太郎記念館 600円
 A to Z cafe お茶代のみ

・定員 10名
 
・テーマ
 岡本かの子『鮨』

 作家・岡本かの子(1889~1939)は、岡本太郎のお母さんです。
 その関連で、岡本太郎記念館(かつての太郎の自宅)で太郎の芸術作品を観覧した後、読書会に移行します。
 なお、A to Z cafeはポップアート作家の奈良美智さんの作品が飾られているお店で、当日の岡本太郎記念館では、現代美術作家のヤノベケンジさんの作品も展示されています。
 というわけで、今回の読書会は、かの子と現代アートに触れる会、ということになるでしょう。