宮田珠己さんが、新刊の
『スットコランド日記 深煎り』(本の雑誌社)を送ってくださった。
嬉しいのが、7月1日の項に、「知り合いの杉岡幸徳さんが『世界奇食大全』(文春新書)の謹呈本を送ってくれた」とあり、書評が書かれていることだ。
宮田さんは、現存する最も好きな作家なので、その著書に僕の名前が出るのは、下手にテレビに出るよりもはるかに嬉しいのだ。
しかし、宮田さんは若い。
「日常を書くのは苦手だ」とどこかで書かれていたと思うが、この本はりっぱに日記文学として成立している。
何気ない日常生活の中に、突如としてとんでもなく不気味な幻想が絡みついてきているのが面白い。
そして、取材や勉強を蹴飛ばしながら、好き勝手に書いている。
宮田さんの著書を読むたびに、自分を見つめ直してしまう。
そして、できる限り取材や勉強はさぼりながら、やりたいことをやろうと思う。
勉強するのは、意志薄弱な証拠である。
人間は、気を抜いていると、不安を感じて努力をしてしまうのである。
意志の強い人間は、一切の努力を放棄して、その日その日を享楽の中に過ごしている。