「まず形から入れ」

「まず、形から入れ」
とある人々は言う。

しかし、形から入った者は、永遠に形からは出て来れない。
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「母国語」という言葉は誤訳

よく「私の母国語は日本語です」なんていうふうに「母国語」という言葉が使われますが、この言葉は誤訳であり、間違った言葉なんですね。

もともと英語では mother tongue といいます。
これは直訳すれば「母語」「母の言葉」、つまり「母親に教えてもらった言葉」という意味なんですね。「母国」だとか「国家」などといういかがわしい意味合いはどこにもありません。
ドイツ語でも Muttersprache 「母の言葉」という意味で、事情は同じです。

要するにこれは、「母と子」という極めて個人的な概念に、何者かが「国」という胡散臭い意味合いを密かに滑り込ませたものなんですね。言葉の世界に、国家権力の統制を持ち込もうとしているわけです。
母語と母国語はまるで違う概念で、時には対立することもある。
たとえばトルコに住むクルド人の母語はクルド語ですが、トルコ政府はクルド語を公に使うことを認めていない。つまりこの場合、「母語」と「母国語」は敵対関係にあるわけです。

「母語」はまだ日本語として目新しい言葉ですが(ただし辞書には載っている)、この言葉を使うと、「お、こいつできるな……」という感じになって格好いいので、お奨めです。
僕の知る限り、言語学などの世界では、「母国語」などよりも「母語」のほうが主流になっています。

「マツリダゴッホ」が有馬記念を制す

有馬記念、マツリダゴッホが制す

 競馬の有馬記念が23日、中山競馬場で行われ、マツリダゴッホが勝った。2着はダイワスカーレット、3着はダイワメジャーだった。

▽単勝 <3>5230円▽複勝 <3>1030円、<7>370円、<4>530円▽枠複 <2><4>2160円▽馬複 <3><7>22190円▽馬単 <3><7>69020円▽3連複 <3><4><7>73320円▽3連単 <3><7><4>800880円▽ワイド <3><7>5240円、<3><4>5500円、<4><7>1520円



いや、競馬には僕は、まるで興味がないんです。

しかしこの「マツリダゴッホ」という名前……、やはり、今も昔も馬の名前というのは、何も考えずに付けているんですねえ。感動します。
「祭り」と「ゴッホ」がどういう関係にあるんだ、と問い詰める気力も失せるような名前です。もはやここまで来ると「芸術」です。
「ミシンと洋傘が、手術台の上で突然出会ったように美しい」
と詩人ロートレアモン伯爵は「マルドロールの歌」の中で歌いましたが、それに匹敵するくらいのシュールさと美しさです。
祭りとゴッホが、競馬場の芝生の上で衝突しているのですから。

しかしやはり、訳の分からない馬名というのは多いようです。
どうせ馬だからと馬鹿にして何も考えずに付けているのか、それともギャンブルの世界のあまりの厳しさに、脳が液状化してしまったのか、「変な名前を付けると馬が早くなる」という訳の分からないジンクスが競馬界に吹き荒れているのか。

たとえば……

・オトメノカオリ
・オレニツイテコイ
・カキノタネ
・キママムスメ
・グレートボボ
・ゲンキナシャチョウ
・ココマデオイデ
・アイアムゴキゲン
・アシタハシマウマ
・イヌノサンポ
 ……


こんな馬名を読まされる、アナウンサーの気持ちにもなって欲しいものです。

新刊『奇妙な祭り』を絶賛発売中!

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新刊『奇妙な祭りー日本全国<奇祭・珍祭>四十四選』(角川書店)を絶賛発売中です。
「角川ONEテーマ21」という新書です。



今回は、次のような奇祭を取り上げています。



・泥だらけの怪人が人々を襲う「パーントゥ」(宮古島)
・おっぱいを崇拝する「おっぱい祭り」(北海道)
・神官に大根を投げつける「あらい祭り」(千葉)
・意識を失い、ヘロヘロになった男が牛に乗る「牛乗り・くも舞」(秋田)
・女装したおっさんが札をまきまくる「お札まき」(神奈川)



……などなど、です。



書店で見かけましたら、ぜひ手に取ってみてください。
アマゾンでも発売中です。
よろしくお願いします!



<掲載メディア>
東京新聞、FM局NACK5、『広告』(博報堂)、語ろ具(@nifty)……など。

UFOが存在するのは当たり前

UFOは存在する=町村官房長官

「個人的には絶対あると思っている」。町村信孝官房長官は18日午後の記者会見で、未確認飛行物体(UFO)は存在するとの持論を展開し、笑いを誘った。

 政府は同日の閣議で、UFOについて「存在を確認していない」とする答弁書を決定。会見で、見解を求められた町村長官は「政府答弁は政府答弁だが、そうじゃないと(UFOが存在しないと)ナスカ(の地上絵)など説明できない」と力説。このところ、年金問題で政府の責任を繰り返しただされているとあって「どうぞ毎回こういうご質問をお願いします」と言い添えた。

 これに関し、福田康夫首相は同日夜、首相官邸で記者団に「わたしはまだ(UFOを)確認してません」と語った。
 

「なんでこんなもんがニュースになるんや」と言いたいくらい訳の分からないニュースだが、UFOが存在するのは当たり前だろう。世間の常識だ。

だいたいUFOとは'unidentified flying object'(未確認飛行物体)の略でしょ。つまり、「なにか飛んでいるが、いったい何なのかよくわからん」のなら、何でもUFOになるわけで。

たとえ「ハエ」が飛んでいたとしても、それが結局なんだったのかよく分からなければ、それもUFOになるわけです。だから、UFOが存在するのは当たり前。それを否定する福田康夫という男のほうがおかしい。といってもこの「福田康夫」って言う人、何者なのかよく知らないんですが。

UFOの存在を認めた上で、それが本当は飛行機だったのか、宇宙人が円盤に乗ってわざわざ地球までやって来てくれたのか、という議論になるわけです。
ちなみに僕は、宇宙人が宇宙船に乗って暇にも地球までも訪れているということはないだろうな、という立場です。もちろん、宇宙人にもジャンジャン地球に来てもらったほうが、地球もますます意味不明になるし、面白いとは思うんですけどね。


そんなことより、記者会見でこんな訳の分からない質問が出る日本のほうが素晴らしいですね。
UFOの存在は信じますが、こんな国が現実に存在することは、信じられません。たぶん、日本という国は実在しないのでしょう。

情報とは

情報とは、感情を失った者が堕ちていく、最後の地獄である。

野良犬が原油高を救う

犬が認知症女性を温め救う 氷点下の屋外

 茨城県東海村の認知症の女性(73)が5日朝から行方不明になり、約30時間後に、自宅から約5キロ離れた同県ひたちなか市の公園近くで無事保護されていたことが7日、分かった。

 ひたちなか西署によると、発見された女性の傍らには体長約1メートルの老犬が、ぴったりと寄り添っていた。女性は、氷点下の屋外で一夜を過ごしたとみられ、同署は「犬の体温で凍死せず助かったのではないか」と話している。



今この「救助犬」が大人気で、いろんな所から「うちで飼いたい」という要望が殺到しているらしいです。

ものすごく心温まる話だけど、これは単に「優しい犬に心癒されたい」ためではなく、実は「原油が高すぎる」からだと思われます。


つまり、最近灯油が異常に値上がりしていて、石油ストーブをつけると金がかかって仕方ないので、代わりに「野良犬」を抱いて暖まろうとしているだけなんですね。野良犬だと、エサ代もかかりません。庶民の素敵な知恵、と申しましょうか。

以前、クーラーの代わりに窓にゴーヤを植えて涼をとるという試みがありましたが、これからは石油・電気代を節約するために「野良犬を抱いて寝る」というやり方がトレンディになるかもしれません。
時代は、野良犬へと向かっています。

「訳のわからない社長になれば、部下もついてきます」

『商工にっぽん』の12月号で、インタビューを受けています。インタビュアーは、永江朗さん。収録は、渋谷のホテルにあるカフェでした。

僕の処女作が『ゲオルク・トラークル、詩人の誕生』であることから、ドラッグによる酩酊の話から祭りの話、日本の近代化の話などをしました。

最後に「どうしたら社長に部下が付いてくるでしょうか」という質問に対して、「訳のわからない社長になれば、部下も否応なくついてきますよ」と僕が答え、素晴らしくタメになる対談に仕上がっています。
ご覧ください。

「甘口メロンスパ」を食べる

旅行に行っていてご紹介が遅れましたが、名古屋で「甘口メロンスパ」なる奇妙な食べ物を食べてきましたので、アメーバニュースの記事に書きました。

メロンを炒めた「甘口メロンスパ」を食べてみた


名古屋という所は、なぜかB級スポット、奇妙な物、オブジェ、奇祭、変な食べ物の宝庫の街でして、僕はここでほかにも「イカスミジュース」「うなぎバーガー」「シャチボン」などと変なものを試食してきましたので、追ってアメーバニュースで公開していきたいと思います。