宮古島の奇祭「パーントゥ」

エメラルドグリーンに輝く海のある沖縄の宮古島も、今はオフシーズンだ。だが、今は奇祭「パーントゥ」の季節だ。今年は11月6日、7日に行われた。
「パーントゥ」とは現地の言葉で「妖怪」「化け物」という意味である。夕暮れ迫るころ、体にキャーンというつる草を巻き、泥を塗りたくり、不気味な仮面をつけた三匹のパーントゥが集落に現れ、人々を襲い、泥を塗りたくっていくのだ。
この泥が、とんでもなく臭いのである。だから多くの人は逃げまくる。しかしパーントゥは全力で追いかけ、抱きつき、人々を泥まみれにしてしまう。
パーントゥが主に狙うのが、若い女性、赤ん坊、新築の家だ。泥にまみれるとご利益があるというので、母親はわが子をパーントゥに差し出して泥を塗ってもらう。パーントゥは新築の家に上がりこみ、酒を飲み、新しい家をドロドロにしてまた去っていく。これも「ご利益がある」ということで、家主も文句は言えないのだ。
子供は、パーントゥの恐ろしい姿を見て泣き叫ぶ。泥の妖怪に追いかけられ、臭い泥をつけられ、とんでもなくハードな祭りだった。
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